やくそく する 僕はずっとここにいると

精いっぱいの愛を言葉にすることを 恐れず、怠らず。

ABKAI、十兵衛な優馬くん。

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歌舞伎。

 

日本の伝統芸能

 

見てみたいと興味はあれど、

なかなか踏み出すのが難しい。

敷居が高い、とはよく言われるもの。

 

しかしそんな若い人にも観てほしいと、

市川海老蔵さんが企画・制作を務める

『ABKAI』

 

それでも、

優馬くんが出ていなければ観る機会はなかったと正直思う。

私の世界をまた拡げてくれた優馬くんに感謝です。

 

 

そんな立派な舞台、『ABKAI』で

柳生十兵衛優馬くんは、

そのミステリアスな佇まいだけで

とてもかっこよくて、

登場した瞬間、

ほうっ、と見惚れた。

 

ああ美しい、

と思った。

 

さらに殺陣なんてするもんだから

本当に格好よかった。

 

柳生十兵衛という人物、

私は全然しらなくて

優馬くんの演じた柳生十兵衛の印象だけ、

今は申し上げたい。

 

美しい青年で、

でもどこかミステリアスというか、

前半は表情を崩さないのが印象的だった。

自分に定められた柳生一族の道を信じて疑わない、十兵衛のそれまでの生き方が表れていた、

 

のだけれど。

 

父である柳生宗矩石川五右衛門を卑怯なやり方で捕らえ、十兵衛に討ち取らせようとした時。

 

はじめて、十兵衛の表情が曇る。迷いが生じる。

それまで定められた道しか知らず迷うことなく生きてきた十兵衛。

しかし五右衛門と討ち合うなかで

「それが柳生のやり方か」

「お前らしく生きてみろ」

幾度となくかけられた言葉が、十兵衛の心の何処かにいつの間にか留まっていたのだろう。

五右衛門の生き方を知って、初めて意識して。

そんな五右衛門と斬り合った最後、

父が卑怯に討ち取れと指図する中、それを拒んだ十兵衛。

 

私が初めて観劇した日、

このときの十兵衛の瞳が、キラッと

それはそれは美しく光ったのです。

 

優馬くんの持つ目の大きさ、

照明の加減、

角度、

色々な事の偶然が重なったのでしょうが、

ほんとうに美しい瞬間を目の当たりにしました。

 

その後、十兵衛がどうなったかは観客の想像に任せられましたが

祭りで和やかに五右衛門一家と踊っている様子だけ見させられるとはなんとも粋な演出だなあと思いました。

 

自分には決められた道しかないと思っていても、

人の縁に導かれ

もっと楽に、自分らしく生きられる道というのは

無数に広がっているのかもしれないなあ。

 

 

ABKAI自体は

華やかで派手でかつシンプルですごく楽しかった。

楽しいよ!と聞いてはいたものの、

「歌舞伎を観て『楽しい』とは???」

と思っていた私。

観たらよくわかりました。

かと言って、

歌舞伎が皆そうではないのかもしれないけれど、

その入口に触れられてとてもよかったです。

観ることができてよかった!とシンプルに幸せな気持ちになれました。

 

 

そしてこんなにも華やかな公演期間中の突然の訃報、

麻央さんのことはあまりに辛く、私からはここでは何も申し上げませんが、

俳優として、夫としてまた家族として、そして一人の男としての海老蔵さんの背中に

一番近いところで対峙した優馬くん。

色々なことを感じ取ったのではないかな。

 

色んなご縁で繋がって

俳優として人として成長していく優馬くんを

これからも見つめていきたいと思います。

 

Ayana