や・く・そ・く する 僕はずっとここにいると

精いっぱいの愛を言葉にすることを 恐れず、怠らず。

舞台『それいゆ』を振り返る。

れいゆ再演のお稽古も始まったようで。

それいゆ | イベント | 関西テレビ放送 カンテレ

 

桜井日奈子ちゃんのツイートと

桜井日奈子 on Twitter: "稽古が、はじまる ε=ε=ε= ┌(;´゚ェ゚)┘"

演出の木村さんのリプライに

木村淳 on Twitter: "@hinako_incent そうだ❗稽古が始まるのだ❗by 道場長"

ほっこり。

殊更に厳しくなるのだろうなあ、木村道場。笑

 

せっかくブログを始めたので、

今のうちに、初演のそれいゆで感じたことをまとめておきたいなあ、と思います。かなり私情が入りますが(笑)。

 

パンフレットと、舞台鑑賞後に書いた台詞。

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ずっと飾ってあり、何度も読んでいます。

読み返す度に、いや、思い返すだけで、

あの舞台を観たときのあたたかな気持ちが蘇ります。

心に残る舞台。

あの舞台の素敵な空気は、とても不思議なものだったなあと思います。

 

初演『それいゆ』の上演時、

私は就活中でした。

更に状況を詳しく言えば、

3月に情報が解禁されて自分が良いと思っていた方向に頑張っていたのに、

力み過ぎたせいか

ご縁が無かったか

上手くいかず、

受けていた会社全ての選考に落ち

合っている、上手くいくと感じた第一志望の会社も最終面接を前に不合格となった時でした。

つまり、どん底

普段は楽観的な私ですが

さすがに、自分の生き方やヴィジョン、選択が間違っていたのか?と迷いが生じていました。

というのも、

私は元々こだわりが強く、妥協ができないタイプ。

好きなものはとことん追求する。

他人と同じは嫌。

大衆に流されたくない、自分を持っていたい。

そんな人です。

そして就活においても、

自分の考え、信念に合わない事をしている会社はどうしても受けたくない。そんな気持ちが捨てられず、元々受けた会社の数も少なかった。

今考えたら視野が狭かったなあと思いますが、

それでも必死で頑張っていました。

そもそも、高校までも大学でも一生懸命に、バイトでも学業でも自分でよく考えて何でもより良くしようと取り組んできて。

それを面接で話しても。

良い子ぶっているように聞こえるのか、

どうも上手くいきませんでした。

そうなると、どうしても

そうやって真面目に頑張ってきたことが間違いだったのか、と疑問を感じてしまうもの。

良いと思っていた指針を失って、

私の心はグラグラに揺れていました。

 

そんな時に観たのが、この『それいゆ』だったのです。

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今考えると奇跡のような出逢い。

ほんとうにあの時『それいゆ』に、淳一先生に、出逢えてよかったと心から思います。

いや、もしも出逢えていなかったら、

今の私はいなかったかもしれません。

 

舞台の序盤では

女性を、世界を、美しくしたいと、

自分の信念に希望をもって

はつらつと活動する淳一先生。

しかし、

時局が変わっていくと

その信念が社会には、まかり通らなくなっていく。

五味喜助のように、器用に立ち回り、社会の流れに沿い、上手く、楽に生きる人もいる。

美しい綺麗な生き方ではない。けれど、それも人間らしくてひとつの生き方。そして、そのほうがもしかしたら楽なのかもしれない。

でも妥協できない淳一先生にはそんな生き方ができなくて。

そうして中原淳一は、自分の生き方が間違っていたのかと、美しく生きるとはどういうことなのかと、悩み苦しんでゆく。

そんな淳一先生の姿が、当時の自分に重なったのでした。

「自分自身が追い求めることもなく、工夫することもなく、そのあたりで手を伸ばせば誰でも手に入る服を着て、他人がいいよと言ったものをさも自分が欲しがっていたかのように錯覚しながら買い漁り、味も知らない評判の店で食事をして満足し、流行という言葉に飛びついて、同じ音楽を聞く。そんな生き方の、、そんな生き方の何が美しいんだ!!!」

そう叫ぶ中原淳一の叫びは、私の叫びでもありました。

顔を歪めて泣く淳一先生と一緒に、私も泣きました。

 

そんな淳一先生に、

「間違っていましたよ。…でもあなたは誰よりも美しく生きていましたよ。中原淳一の生き方は、他のどんな人の生き方よりも美しい」

と語りかける天沢栄次。

今度は温かい涙が私の頬を伝いました。

淳一先生がふっと救われたような表情を浮かべるのと一緒に、私も救われた気持ちになりました。

 

妥協せずに、自分の信念を持ち、美しく生きることは、とても難しい。社会と矛盾することもあり、その大きな波に流されずに抗うことは苦しい。

それでも、信念を捨てずに一生懸命に生きることこそ、美しい。

天沢さんと、淳一先生に、自分の生き方を肯定してもらえたような気がしました。

私なりの美しい生き方を、拘りを捨てなくても良いのだと。

上手くいかない時や、世の中にまかり通る矛盾や醜さにぶち当たる時もある。

だけど、拘り続けることは美しいと。信念を持ち続けても良いのだと。

そう背中を押して貰えたような気がして。

苦しかった心があたたかなものに包まれ、

ほぐれてゆくのを感じました。

次から次へと溢れる涙を止めることはできませんでした。

 

そして、

一度は夢を諦めた舞子も輝きを取り戻し、

再び中原淳一の元へやって来て、

晴れやかな顔の淳一先生がドレスを渡し、舞子に語りかけます。

「汚れれば、洗えばいい。破れれば、繕えばいい。その方がただ飾られてホコリをかぶっているよりもドレスも美しく存在することができる。そのドレスと共に美しくありたまえ。努力を惜しまず、精一杯汗かいて、自分自身の夢を追い求めること。素敵な服を着て、満足するのではなく、そのドレスに見合った素敵な自分になろうとすること。そして他人の価値観ではなく、自分の価値観を磨きあげること。美しく生きるとはきっとそういうことだ。」

 

この台詞に私はハッとしました。

私はもっと表面的な美に拘っていたかもしれないと。

どんな事も、涼しい顔してさっとやり遂げるのがかっこいいと思っていた。

就活だって、自分に合ったものを見抜いてそれを手に入れられたらそれが良いと。

でも、がむしゃらにもがいたっていいんだ。

かっこ悪くたって、失敗したっていいんだ、

それこそが、その努力こそが本質的な美しさなのだと

気づいた瞬間でした。

 

最後、客席に語りかける淳一先生に私は、

自分の中の美しさを一所懸命に努力して追い求めます、と

心から誓いました。

嗚咽を押し殺しながら、泣き続けながら、ひまわりの中で微笑む淳一先生に、誓いました。

 

 

 

そうしてブルーシアターを後にする私の心は

とても晴れやかで、軽やかで、

「上向いて、胸張って、前!」

その言葉とともに、何でも出来そうな気がしました。

素晴らしいこの舞台を、宝箱にしまって、いつでも取り出せるように心の大事なところに置いておいた、

そんな感覚でした。

 

そして私はそんな吹っ切れた、清々しい気持ちで、

就活の再スタートを切れました。

不思議なくらい、

自分らしく、明るく、胸を張って選考に臨めるようになり

そして無事に、自分の信念に沿った、素敵で個性のある会社にご縁を戴きました。

 

こんなに人の心を揺さぶるほど、

心を込めて、この『それいゆ』という舞台を作り上げてくださった

星のような座長優馬くん、

素敵なキャスト一人ひとり、

素晴らしい脚本を書いてくださった古家さん

厳しく演出なさった木村さん

沢山のスタッフの方々

今も中原淳一の信念を伝え続けるひまわりやさん

そして天国の中原淳一さん

皆さまに、心からの感謝でいっぱいです。

 

だから、再演が決まって本当にうれしかった。

そして私もまたひとつ困難を乗り越えて

社会人となる4月にこの舞台に再会できることに

とてもわくわくしています。

 

モノと情報で溢れて

いき苦しくて

自分が本当に「美しい」と思うものを見つけ出すことの難しいこの時代に

美しい生き方、つまり自分らしい生き方に

より多くの人が、この再演『それいゆ』で出会えますように。

1人でも多くの人が美しく豊かな心で生きて、

日本中が美しくなって、

世界がもっと美しくなりますように。

中原淳一の意思を受け継いで、

そう心から願って止みません。

 

純白な淳一先生や

たくましい舞子

真っ直ぐに成長する天沢さん

人間らしく

自分なりの正当性で生きる五味さん

嫉妬と闘う山嵜編集長

妥協し世の中に求められる桜木くん

 

魅力的な一人一人のキャラクターに

今度の再演ではどんな風に出逢えるのか

とても、とても楽しみです。

 

上向いて、胸張って、前を向いて

淳一先生に再会できるよう、

のこり1ヶ月、

精進したいと思います。

 

 

Ayana